嶋村吉洋氏による「となりの億万長者が17時になったらやっていること」は、現代人の資産形成における悩みを解決する一冊です。
著者は不動産投資で成功し、億単位の資産を構築した実業家です。本書では、一般のサラリーマンが実践できる「お金の増やし方」と「富裕層の習慣」を平易な言葉で解説しています。
特に「17時以降」の時間活用法に焦点を当て、誰でも始められる資産形成の秘訣を紹介しています。
今の生活を大きく変えることなく経済的自由を目指す方に必読の書と言えるでしょう。

億万長者になるための時間活用術
17時以降の2時間が人生を決める
本書のタイトルにもなっている「17時」は非常に重要な意味を持っています。
著者によると、多くの億万長者は仕事終わりの夕方の時間を特別に活用しているのです。
一般的なサラリーマンが帰宅後にテレビを見たりSNSをチェックしたりする時間に、億万長者は自己投資や資産形成のための行動をとっています。
この2時間を毎日確保することで、年間730時間もの時間が生まれます。
この時間を投資の学習や副業、ネットワーキングに使うことで、大きな差が生まれるのです。
著者は自身も会社員時代、この時間を不動産投資の勉強に充てたことが成功のきっかけだったと語っています。
朝型習慣のメリットとデメリット
多くの成功者が朝型の生活習慣を持っていると言われていますが、著者はこれに一石を投じています。
朝型習慣には確かにメリットがありますが、夜の時間活用も同様に重要だと述べています。
朝型習慣の統計データによれば、早起きの経営者は全体の67%を占めているとされています。
しかし著者は、個人の生活リズムに合わせた時間活用が最も効果的だと説明しています。
重要なのは「質の高い集中時間」をいつ確保するかということです。
お金の教養を身につける具体的方法
金融リテラシーが資産を守り増やす
日本人の金融リテラシーは国際的に見ても低く、金融広報中央委員会の調査によれば、正答率は約56%と先進国の中では低い水準にあります。
著者はこの現状を踏まえ、基本的な金融知識の重要性を説いています。
- 毎日15分の経済ニュースチェック
- 月に1冊は投資関連の書籍を読む
- 投資セミナーや勉強会への参加
- 専門家との定期的な対話
特に重要なのは継続的な学習習慣です。
著者自身、毎日の経済ニュース確認と月3冊の投資本を読む習慣が資産形成の基礎になったと語っています。
インプットとアウトプットのバランス
知識を得るだけでは不十分だと著者は指摘します。
得た知識を実践に移すこと、そして他者に説明することで理解が深まります。
- 学んだ内容を自分の言葉でまとめる
- 家族や友人に説明してみる
- 小額から実際の投資を始めてみる
- 投資日記をつける
著者によれば、知識と実践のバランスが取れている人ほど、資産形成に成功している傾向があります。
効率的な資産形成の具体的戦略
複利の力を最大限に活用する
著者は「複利」を「お金持ちの秘密兵器」と呼んでいます。
例えば、月3万円を年利5%で30年間投資し続けると、元本1,080万円が約2,500万円に成長するという計算例を示しています。
- できるだけ早く投資を始める
- 長期間継続する
- 利益の再投資を徹底する
- 定期的な積立投資を習慣化する
著者は「72の法則」も紹介しています。
これは投資金額が2倍になる年数を算出する方法で、72を年利回りで割ると求められます。
例えば年利6%なら、72÷6=12年で資産が倍になる計算です。
インデックス投資と個別株投資の使い分け
資産運用の方法として、著者はインデックス投資を基本としながらも、一部個別株への投資も検討する「コアサテライト戦略」を推奨しています。

この戦略により、安定性と高リターンの可能性を両立させることができます。
著者自身も資産の80%をインデックス投資に、20%を不動産や個別株に配分していると述べています。
不動産投資で経済的自由を実現する方法
不動産投資の基本的な考え方
著者は不動産投資家としての経験から、不動産投資が経済的自由への近道になる可能性を指摘しています。
その理由として、レバレッジ効果、インフレヘッジ、税制優遇などを挙げています。
- 立地を最優先で考える
- 利回りだけでなくキャッシュフローを重視する
- 物件の管理状態を必ず確認する
- 空室リスクを想定した計画を立てる
著者によれば、多くの不動産投資の失敗は「過度な期待」と「不十分な調査」が原因だとしています。
不動産投資の具体的な始め方
初めて不動産投資を行う人向けに、著者は以下のステップを提案しています。
- まずは書籍やセミナーで基礎知識を身につける
- 経験者や専門家のネットワークを構築する
- 小規模な物件から始める(区分マンションなど)
- 徐々に規模を拡大していく
著者自身も最初は1Kの中古マンションから始め、現在は複数の収益物件を所有するまでに成長したそうです。
億万長者の生活習慣と思考法
豊かさを生み出す日常の習慣
特に注目すべきは時間とお金の使い方です。
億万長者は「時間の浪費」と「お金の浪費」に非常に敏感だと著者は指摘しています。
テレビやSNSに費やす時間を減らし、自己投資や人間関係構築に時間を使う傾向があるのです。
- 早寝早起きの規則正しい生活
- 日々の出費を記録する習慣
- 定期的な運動習慣
- 質の高い人間関係への投資
成功者に共通するマインドセット
特に重要なのは「複利的思考」です。
これは知識やスキル、人間関係も複利のように積み重なっていくという考え方です。
著者によれば、億万長者は人生のあらゆる面で「複利」を意識しているといいます。
- 長期的な視点で物事を考える
- 失敗を学びの機会と捉える
- 常に新しい知識を吸収し続ける
- 他者の成功を素直に学ぶ姿勢
本書のポイント
本書は単なる投資術の解説ではなく、お金と時間の使い方から生活習慣、思考法まで含めた「豊かさを生み出すライフスタイル」全体を提案しています。

明日から実践できる具体的なアドバイスが満載であり、経済的自由を目指すすべての人にとって貴重なガイドとなるでしょう。
- 平日17時以降の2時間を自己投資に使うことが成功への鍵
- 金融リテラシーの向上が資産形成の基礎となる
- 複利の力を理解し、早期から長期的な投資を始める
- インデックス投資をコアとした資産配分が基本
- 不動産投資は経済的自由への有効な手段となる
- 億万長者に共通する生活習慣と思考法を身につける