弓削徹氏は、日本工業大学大学院技術経営研究科教授を務める製造業マーケティングコンサルタントです。
復興庁有識者会議委員、中小機構震災復興アドバイザーとしても活動し、「ノートパソコン」の命名者としても知られています。
本書は、心理学×経済学=行動経済学というアプローチで、売上改善の具体的手法を解説しています。
行動経済学の基本概念
「売れる」メカニズムの解明
行動経済学は「特定の条件下で人びとがどのような経済行動をとるのか」を研究する学問です。
本書では、この理論を実践的なマーケティング手法として活用する方法を示しています。
行動経済学の手法を使えば、売上は確実に改善します。
最初のうちは、ささやかな成功かもしれませんが、これを積み重ねることで大きな成果につながります。
心理学と経済学の融合
人間の行動が感情や心理に左右される現象を、ルール化してまとめた学問である行動経済学を、実際のビジネスシーンに応用する視点が重要です。
- 人間の非合理的な判断パターンを理論化
- マーケティング戦略への実践的応用
- 店舗からBtoBまで幅広い活用範囲
売り方と商談の革新
視点転換による売上激増
売り方の視点を変えると売上は激伸びするというテーマで、商談における行動経済学の活用法を解説しています。
選択のパラドクスの活用
売れはじめた商品の拡販と人気を演出する「バンドワゴン効果」など、消費者心理を活用した販売戦略が具体的に紹介されています。

広告表現の最適化
購買意欲を刺激する表現技法
「それなら欲しい!」と言わせる表現を探せという章では、キャッチコピー作成における行動経済学の応用を説明しています。
実践的な表現戦略
販売促進や価格決定、キャッチコピーを書くときに役立つ行動経済学について解説し、商談や販促のための広告表現、売場で活用できる実践的な理論と事例を豊富に詰め込んでいます。
価格決定とブランド化
値札の心理的効果
値札のつけ方一つで利益は大きく変わる価格決定戦略について、行動経済学の視点から解説しています。
長期的ブランド構築
長く愛される商品を育てるにはココに注目するブランド化戦略も、行動経済学の理論に基づいて体系化されています。
- 消費者の価格認知メカニズムの理解
- 心理的価格帯の設定
- 価格と品質の関係性の演出
実践的活用方法
豊富な事例による学習
豊富な具体例や誰にでも思いあたる事例を用いながら、行動経済学の原則や効果を意識して、現実的に使いこなすことに主眼を置いてわかりやすく解説されています。
実践への応用
全国の商工会議所、経済団体、企業で800回超の講演実績を持つ実践的な知識が詰まっています。
まとめ
本書は行動経済学を実践的なマーケティングツールとして活用する方法を、体系的に解説した実用書です。本書を読めば驚くほどに、モノを売る仕掛けを作れるようになります。
ビジネスパーソンにとって、売上向上の具体的手法を学べる貴重な一冊となっています。
- 行動経済学の基本理論から実践応用まで網羅
- 豊富な事例と具体例による理解促進
- 売り方、広告、価格、ブランド化の4つの視点から解説
- 中小企業から大企業まで活用可能な実践的内容
- 著者の豊富な講演経験に基づく信頼性の高い内容