キャリア開発・ライフデザイン

社長がつまずくすべての疑問に答える本

田中修治氏は、メガネチェーン「OWNDAYS(オンデーズ)」の代表取締役社長です。

2008年に倒産寸前だったオンデーズを買収し、約14億円の負債を抱えた状態から再建を果たしました。

現在は世界13の国と地域に500店舗以上を展開するグローバル企業へと成長させた経営者です。

本書は、その実体験に基づく「社長業のリアル」を余すところなく語った一冊です。

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本書が生まれた背景

倒産寸前からの再建という原体験

田中修治氏がオンデーズを買収したのは2008年のことです。

当時の同社は約14億円もの負債を抱えていました。

銀行からの融資も止まり、まさに倒産寸前の状態でした。

30歳の若さでこの会社を引き受けた田中氏は、そこから約15年をかけて会社を再建します。

この過程で田中氏は、経営者が直面するあらゆる問題にぶつかりました。

  • 資金繰りの苦しさ
  • 社員の離職
  • 組織の崩壊
  • 銀行との交渉
  • 海外展開の壁

こうした「すべてのつまずき」を乗り越えた経験が、本書の土台となっています。

経営者の孤独に寄り添う一冊

経営者は孤独だとよく言われます。

本書は、その孤独な社長たちが抱えるリアルな疑問に正面から答える構成です。

理論やフレームワークではなく、実体験に基づいた生々しい回答が並んでいます。


本書の構成と特徴

Q&A形式で読みやすい構成

本書の最大の特徴は、Q&A形式で構成されている点です。

社長が日常的に抱える疑問を質問として設定し、田中氏が一つひとつ回答していきます。

主なテーマは以下のとおりです。

  • お金と資金繰りの問題
  • 人材採用と離職への対処
  • 組織づくりとマネジメント
  • 事業拡大と海外展開
  • 社長自身のメンタルと覚悟

どこからでも読めるため、今まさに悩んでいるテーマから読み始められる実用性があります。

綺麗事を排した「本音の経営論」

田中氏の語り口は、終始一貫して「本音」です。

成功体験だけでなく、失敗や苦悩も包み隠さず語られています。

例えば、社員が大量に辞めた時期のエピソードがあります。

田中氏は「辞める人を無理に引き止めても意味がない」と断言します。

その上で、残ってくれた人をどう大切にするかに焦点を当てています。

こうした綺麗事ではない実践知が、本書の最大の魅力です。

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お金と資金繰りのリアル

「借金」との向き合い方

14億円の負債を背負った田中氏にとって、資金繰りは最大の経営課題でした。

本書では、借金に対する考え方が明確に示されています。

田中氏は「借金は悪ではない」と述べています。

重要なのは、借金を何に使い、どう返すかの戦略だと説きます。

  • 運転資金の確保が最優先
  • 銀行との信頼関係は日頃から構築する
  • キャッシュフローを常に把握する
  • 見栄のための支出は徹底的に排除する

社長の給料はいくらが適正か

多くの社長が悩む「自分の報酬」についても、田中氏は率直に語っています。

会社が苦しい時期に社長が高い報酬を取ることの危うさを指摘しつつも、社長が疲弊しては意味がないと述べます。

適正な報酬を設定し、自分自身の生活を安定させることも経営判断のひとつだという考え方は、多くの中小企業経営者にとって救いとなるはずです。


人と組織の問題にどう向き合うか

採用と離職のジレンマ

中小企業にとって、人材確保は常に課題です。

田中氏は次のように述べています。

  • 「いい人が来ない」と嘆く前に、会社の魅力を高めるべき
  • 採用基準を明確にし、妥協しない
  • 辞める人を恨まず、残る人を大切にする

特に印象的なのは、「人は辞めるもの」という前提で組織を設計するという考え方です。

属人化を防ぎ、誰が抜けても回る仕組みを作ることが重要だと語られています。

リーダーシップとは何か

田中氏が考えるリーダーシップは、カリスマ性ではありません。

「覚悟を見せること」がリーダーの本質だと述べています。

社長が逃げずに問題に立ち向かう姿勢を見せ続けることで、社員は自然とついてくるという考えです。

理論ではなく、修羅場をくぐり抜けた人間の言葉だからこそ説得力があります。


事業拡大と海外展開

なぜオンデーズは海外に出たのか

オンデーズは日本国内だけでなく、東南アジアを中心に海外展開を積極的に進めました。

現在は13の国と地域に進出しています。

海外展開の理由
  • 日本市場の縮小は避けられない
  • 成長市場に出ることで会社の未来が開ける
  • 海外展開が社員のモチベーション向上にもつながる

失敗から学んだ海外戦略

もちろん、海外展開は順風満帆ではありませんでした。

現地の文化や商習慣の違いに苦労したエピソードも語られています。

失敗を恐れるよりも、小さく試して素早く修正する。

この姿勢が、オンデーズの海外成功を支えた要因です。


社長のメンタルと覚悟

社長が折れないための心構え

経営者は精神的に追い詰められることが少なくありません。

田中氏自身も、何度も心が折れそうになったと告白しています。

社長がメンタルを保つための考え方
  • 完璧を目指さない
  • 相談できる仲間を持つ
  • 自分の限界を認める
  • 小さな成功体験を積み重ねる

「強い社長」ではなく「折れない社長」を目指すべきだという言葉は、多くの経営者の心に響くはずです。

最終的にすべては「覚悟」

本書を通じて繰り返し語られるキーワードがあります。

それは「覚悟」です。

資金繰りも、人の問題も、事業拡大も、すべては社長の覚悟次第だと田中氏は語ります。

テクニックや知識は後からついてきます。

まず必要なのは、どんな困難にも逃げずに立ち向かうという決意です。

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本書のポイント


本書は、経営に関する理論書ではありません。

14億円の負債を抱えた倒産寸前の会社を、世界500店舗のグローバル企業に育て上げた経営者の「実体験の集大成」です。

これから起業する方、今まさに経営に悩んでいる方、そして社長という仕事の本質を知りたい方にとって、手元に置いて何度も読み返したい一冊となるでしょう。

本書のポイント
  • 資金繰り:借金は悪ではない。戦略的に活用し、キャッシュフローを最優先する
  • 人材:人は辞めるものと前提を置き、属人化しない組織を設計する
  • リーダーシップ:カリスマ性よりも「覚悟を見せること」が本質である
  • 事業拡大:失敗を恐れず、小さく試して素早く修正するスピード感が重要である
  • メンタル:「強い社長」ではなく「折れない社長」を目指すべきである
  • 経営の本質:すべては社長の覚悟にかかっている